自分の感情をはっきり認識しよう!〜HSP・ナツさんの物語(6)

感じる力を大切に働きたい!実在するHSP・ナツさんの物語、第6話。
 
今回は、自分の感情や感覚をはっきり認識しよう!というお話です。
 
<ナツさんが穏やかに働くまでの道のり>

(1)感じる力を大切に働きたい。でも、このストレスのなかどうやって?
(2)空気が読めすぎる、感じる力に振り回されてしまう。
(3)HSPが「疲れやすい」理由。疲れているのは体ではなく頭。
(4)感じる力をコントロールしよう!
(5)共感できる相手に出会うことを、あきらめない
(6)自分の感情をはっきり認識しよう!
(7)最終話:卒業の時。HSPのまま働く自信がつく
 
  
繊細な人やHSP(Highly Sensitive Person)は感じる力が強い傾向にありますが、感じる力が強い=感情や感覚がはっきりしているか?というと、必ずしもそうではありません。
 
「いろんなことを感じるけど、それがなにかよくわからない」というケースも、実は多いのです。
 
 
 
「なにを感じているのか、よくわからない」ままだと、「それが自分にとって良いものか悪いものか」判断できません。
 
幸せに働く―――仕事選びであれ、働き方であれ自分にとって良い選択をするためには、自分の感情や感覚をはっきりさせる必要があります。
 
 
 
当時のナツさんにも感情や感覚が曖昧な面があり、それは「おいしいってどういうことか、よくわからない」という事象となって表れていました。
 
ナツさんの当時のブログより抜粋

なぜ私が「おいしい」を見失ってしまったか。
これには、心あたりがあるんです。

うちの家庭は普通の家庭です。
普通に仲が良く、普通にけんかもあります。

それを断った上で言うと、
空気の変化を感じやすい私は、
父と母の間にわだかまりができると、
それを直に空気で感じていました。

それが一番出るのが、食卓でした。
 
 
微妙な空気を感じ取って、「おいしい!」「おいしいよ!」と、
(父が作った料理も、母が作った料理も)
「どちらもわたしはおいしいよ」と食べていました。
 
(略)
 
誰かと一緒に何かを食べる時、
おいしいかどうかを尋ねられる可能性のあるシチュエーションでは、
味を感じる前に、脊髄反射のように
「おいしい!」という言葉が湧き上がってきてしまうのです。
 
そして、その大元は「おこられる!」という怖れからでした。
 
 
もう、味がどうこう、という次元ではありませんでした。

 
 
「おいしい」って、主観です。自分にとっておいしいかどうかがすべて。
 
でも、ナツさんのように「自分よりも優先すべきもの」があったとき、本来自分のものである感情や感覚が曖昧になっていきます。
 
感情や感覚をはっきりさせるには、
・どう感じても良いんだよ、と自分に許可を出すこと
・安全な場所で、少しずつ、自分の感情や感覚に「おいしい」「好き」「嫌い」と名前をつけていくこと
が有効です。
 
 
ご相談の数日後、ちょうど、私の自宅でイベントを行う予定があり、ナツさんをお招きしました。「各自がおいしいと思うものを持ち寄って、わいわい食べよう!」という、ナツさんにぴったりのイベントです。
  
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当時のナツさんのブログより(1)(2)(3)

「おいしいがわからない」と話した私に、友紀さんは言いました。
 
「おいしいって、言わなくていいです。
 おいしくないときは、おいしくないって言ってくださいね。」と。
 
 
それを聞いて、あ、これはチャンスかも、と思いました。
 
安心な人たちが集まる場所で、安心して味を感じたらどうなるだろう?
 
(略)
 
友紀さんの会だから、きっと柔らかい人たちが集まるだろう。
よし、これは。と思い、私はひとつ、決めました。 
「春の会では、おいしいって、言わないぞ」と。

 

 
素直に味を感じて、
それをそのまま「おいしい!」と言葉にすることをしてみたら。
(この時ばかりは、誰の言葉も待たず、反射のように言ってました)
 
わかったよ!
 
「おいしいって一体なに?!」の答えが!
 
「私が”おいしい”って感じたものが、おいしいものだ!」
 
私がおいしいって感じたならば、そのおいしいは、私にとってだけは、絶対だ。

 

「私が”おいしい”って感じたものが、おいしいものだ!」

そう気付いたときから、
一気にいろんな「おいしい」が感じられるようになりました。
 
それと同時に、「おいしい」以外のことも
はっきりと感じられるようになったような感触がありました。
 
本当に、この日に参加することができて、よかった。

 
 
自分の感情や感覚をはっきり認識できるようになった、ナツさん。(本当に良かった!!!良かったよ!!!)
  
次回、最終回に続きます。
 
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