武田友紀プロフィール

プロフィール

武田友紀(たけだ・ゆき)

■略歴

公認心理師(国家資格)、HSP専門カウンセラー。福岡県在住。
1983年生まれ、九州大学工学部機械航空工学科卒。メーカーでの研究開発を経て独立。フリーのカウンセラーとして、繊細さん向けの人間関係カウンセリングや適職診断を行う。

■トラウマ療法のトレーニング受講歴

・センサリーモーター・サイコセラピー(SP)日本開催・第一期生
Japan(December10,2022):Sensarimotor Psychotherapy for Trauma Themes Online 修了
・ソマティック・エクスペリエシング®(SE™)
Somatic Experiencing® Professional Training Beginning Ⅰ−Ⅱ, Ⅱ−Ⅲ 修了
Somatic Experiencing® Professional Training Intermediate Ⅰ−Ⅱ,Ⅱ−Ⅲ 修了
※2024年現在、上級レベルを受講中

■カウンセリングの土台

主にこちらの理論をベースにカウンセリングを行っています
・エレイン・アーロン博士の提唱したHSP
・精神科医・泉谷閑示先生の「頭」と「心=身体」の理論、本音の見分け方
・解決志向ブリーフセラピー
・ポリウェーガル理論
・ソマティック心理療法(SPやSE™など、身体をベースにした心理療法)
・IFS

自己紹介:繊細さは力になる

はじめまして、こんにちは。武田友紀です。

少し長くなりますが、繊細の森に込めた思いをお話ししますね。

自分に鞭打って働いた会社員時代

私自身、HSPであり、繊細な気質を持っています。

思い返せば幼い頃から繊細でしたが、「どうやら私は他の人よりも繊細らしい」と気づいたのは社会人になってからでした。

大学卒業後、メーカーに入社しました。

研究開発を行った後、自分で手を上げて、社内一忙しいとされる商品開発部へ異動。尊敬できる上司と仲間に恵まれ、毎日夜中まで働きました。

社内で表彰されるなど仕事上の成果を出していましたが、どんなに評価されても自信を持てず、「あれもこれもやらなくては!」と自分に鞭打っていました。

新商品の発売日が迫り、あまりの忙しさに部署内で休職者が出始めます。

注意喚起が行われた時にはもう遅く、重要な実験データを提出し終えた翌朝、私は糸が切れたように会社に行けなくなりました。

入社6年目のことでした。

「なぜ自分はストレスに耐えられなかったのだろう」

自分を抜擢してくれた上司や、必死になって一緒に働いていた同僚に申し訳なくて、泣きながら自分を責めました。

1ヶ月ほど休みをもらって復帰するつもりでしたが、会社のロゴを目にしただけで涙があふれ、どうしても行くことができません。

休職は2年間に及びました。

2年間の休職。自分の繊細さを自覚する

静かに絵を描いたり、空を眺めたり……。

働けないまま家にこもり、ひとりの時間を過ごすうちに、自分の静かな面に気が付きました。

”役に立たないこと”を無駄だと思い、常に気を張り詰めていた自分とは、別人のようでした。

静かで穏やかな自分。

それは、大人になるにつれて忘れていた「繊細な自分」でした。

武田友紀・ちびドラゴンの旅

↑ペンネームの「とうこ」名義で描いた水彩画

静かな日々を送るうちに、アーロン博士の本に出会い、HSPという気質を知りました。

「5人に1人、繊細な人たちがいる」という内容でした。

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。繊細さん(Highly Sensitive Person)の本です!

休職を経て、繊細さを使えるようになる

2年間の休職を経て、食べていくために復職します。

職場の配慮もあり、多忙な開発業務から外れて日限のない仕事を担当しました。

ただ、どうしても開発のクリエイティブな仕事が好きだったので、同僚に頼んでこっそり開発業務を手伝っていました。

実験室でデータをまとめていたときのことです。

「ああ、こうすればいい」

どのデータをどう計算するべきか、今後やるべき実験はなにか。

すいすいと思考が進んでいく、とても不思議な感覚にとらわれました。

はるか先まで見通しがきき、遠くまで手を伸ばせるような……とても静かで力強い感覚でした。

考える間もなく、自分がなにをどうすればいいのかがわかる。

それは、仕事で繊細さが全開になった最初の経験でした。

繊細さが力になる

会社を辞め、自分の力を活かせる仕事を模索するなかで、相談業を始めました。

独学でのスタートでしたが、なぜだか最初からすごくできる感覚があり、お客様からも次々に喜びの声が届きます。

「私のことがどうしてそんなに分かるんですか?」と驚かれることが多いです。

声のトーン、しぐさ、目の動き、その方特有の言葉……、会話をしながら分析と判断を繰り返して、相談者さんの本当の望みを洗い出しています。

情報を分析し、最善の一手を予測する。ーーこの強みは商品開発時代にも使っていましたが、まるで力強さが違います。

いくら成果を出しても自信を持てなかった商品開発時代と違い、相談業は「他の誰にもできない。私が圧倒的にできることだ」と心の底から自信が湧いてくるのです。

ストレスの多い職場で裏目に出ていた繊細さが、自分に合う環境では大きな力になることを実感しました。

強みと繊細さの掛け合わせは、パワフルです。

自分に合う仕事をし、強みと繊細さを最大限に発揮することで、適職診断をリリースする、本を出版するなど、会社員時代には考えられなかった成果を出しています。

まるごとの姿で生きる

カウンセリングを通して様々な方と出会い、つくづく思うことがあります。

それは「ひとは、まるごとの姿で生きると元気だ」ということです。

自分を部分的に活かすのではなく、自分の持つ様々な面をーー繊細な部分も大雑把な部分も、強みも弱みもーーまるごと活かして生きると、ひとは弾むように元気なのです。

自分の一部を活かすことは、その部分を肯定する行為です。

自分をまるごと活かすことは、自分そのものを肯定する行為です。

自分をまるごと活かして働くことは、自分そのものを深く肯定し、人や社会と関わりながら幸せを実現していく道なのです。

私は、繊細の森にたどりついたあなたに、「なんだか大丈夫そうだな」と安心してもらえたらいいなと思っています。

仕事や学校のことであったり、どんな親のもとに生まれるかであったり。

人生には、避けようのない大変なことがありますね。

もしも今、未来がみえなくても、その痛みが抱えられるくらいの大きさになって、ほっとできる日が必ず来ます。

だから、生きていてくれたら嬉しいです。

あなたがまるごとの姿で生きることを、心から応援しています。