個展:「自分のため」と「人のため」に橋をかけていく
個展が終わりまして、そのなかで得た考察を書いていこうと思います。
自分のためのものごとを他者と共有し、想いを語ることで、「自分のため」と「人のため」に橋がかかる、というお話です。
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私にとって、絵はこころを転写するものであり、大切な日記のような存在です。だから、絵は、自分のためのものごとです。
思い切り「自分のため」だからこそ、これを外に出してもいいのだろうか、他者にみせることにどんな意味があるのだろうか…? と、ためらいがありました。
自分のためのものごとは、どのようにして、人のためにーー他者が喜んでくれる形にーーつながっていくのか。
今回、絵を個展にする過程で、「自分のため」と「人のため」に橋をかけていく感触がありました。
個展のDMを作るときに、何種類か文言を考えたんです。
ひとつは、「私はこういう絵を描きます」と、自分が自分が!を主張したDM.
私は気を抜くと「人のため」をやってしまいがちなので、思い切り「自分が自分が!」側に振ったDMも作ってみようと思ったんです。
でも、作ってみたら、びっくりするぐらいダサかった。笑
「私はこういう絵を描きます!」というDMは、「だから何?」って感じがして。
受け取り手がなにかを感じる隙間がない、余白がない。そういうダサさでした。
うーむ…と悩み、DMに、「私は人間についてこう思っています」と、誰かにも共通するであろう思いを書いてみた。
そうすると、不思議と「自分のため」と「人のため」に、橋をかけていく感じがしました。
自分が大切にしていることーー単に経験しただけでなく、大切に思っていることーーを、
誰かにみせてみよう、一緒にやってみよう、
つまり共有しようと思ったとき、「自分のため」と「人のため」がつながっていくんだと思います。
そして、共有したいものって、絵や会話やスキルではなく
つきつめていけば
「私は、こういうことを大切に思っている」
という根本的な想いだと思います。
だから「私は人間についてこう思っています」と、自分の根底にある想いを書いたとき、
他者となにを共有したいかが明確になり、
「自分のため」から「人のため」へと、橋がかかったんじゃないかな、と思います。