石田ゆり子著「Lily」〜感性を大切に生きたい人におすすめ

石田ゆり子さんのエッセイ本、「Lily」、とっても良かった!
 
本屋さんでみかけて、いいな、いいな…と思いながら通り過ぎていたのだけど、素敵な喫茶店に行く日、「あの空間で大事に読みたい」と、ついに手にとった。
 
読んでみてびっくり。石田ゆり子さんが、日々のなかで感性をとても大切にしている様子が書いてあった。
 
小さな自分と対話する話も書いてあって、「これは繊細本なのか…!?」と思うくらい。笑
 

 
石田ゆり子さんがどんな感覚で日々を過ごしているのかがかいまみえて、嬉しいし勉強になる。
 
「もののけ姫」 のサンを演じたときのこと。

わたしとしては、もう、降ろされるのではないかと心のどこかで覚悟していました。そんな自分が悔しくて情けなくて、ひとり泣きました。だけど、3日目、4日目とアフレコが進むにつれて、何かが、掴めはじめて来ました。サンの、人間への憎しみと、動物たち、自然たちへの愛、アシタカへの淡い気持ち、そんなものがまるで水彩画のように層になっていると感じることができたとき、初めて、ガラスの向こうにいる宮崎さんが「いいですね。うん。いいかん じです」と言ってくださった……と勝手に記憶しているのです。
(Lily P95)

 
感覚をつかみながら仕事なさっている様子を読んで、現実を生きることと感性を大切にすることは決して矛盾しないんだな、と思った。
 
  
 
  
すんなり生きていけないときや、なにかにづまづくとき、ガイド役が必要だと思う。「こういうことがあったとき、私はこうしてるよ」って、ただ自分の感覚を教えてくれる存在。
  
世の中にはいろんな考え方や感性の人がいるから、「素敵だな」と感じる人の感覚を教えてもらうのがいい。すーっと自分に馴染む。
 
そして、使いやすくまとめられたスキルテクニックもいいけれど、本当に効くのは、感覚を教えてもらうことだと思う。
  
「あ、そんな感じでいいんだ」と思えるもの。
 
 
 
「スキルテクニックを学ぶ」と「感覚を学ぶ」って、どう違うのか、例を書いてみる。
 
生活感あふれる例だけど、私はいま、1歳9ヶ月の娘を育てている最中で、仕事と家事と育児が、もうびっくりするぐらい回らなかった。
 
色んな人に手伝ってもらうようにして少しは慣れてきたけれど、今でも娘の風邪が夫や私にうつったりすると、もう本当にまわらない。
 
そんなとき、スキルテクニックとしては「家事はできるだけ手抜き。お惣菜も活用しましょう」って書いてある。正直、そんなのわかっとんねん! ってなる。
  
私が本当に助かったのは、3人兄弟を育てているとあるお母さんが「仕事帰りに牛丼買って、コンビニで袋のサラダを買えば、肉もコメも野菜もとれる!」って書いてあったネット記事だった。
 
わお、そういう感じでいいんだ!って思った。超具体例を通して、「お惣菜も活用しましょう」ではわからなかった「手を抜く感覚」を学んだ。
  
 
話は戻るけど、Lilyには、インスピレーションや直感を大切にする話、自分を整えるための抽象的な話が、たくさん書いてある。
 
「抽象的なことをたくさん感じて大切にしながら、しっかり現実を生きることができる」って、わかる。
 
なので、感性を大事に生きたいと思う人に、Lily、とってもおすすめです〜!