悩んできた人の言葉が持つ、真実。〜心理カウンセリングでの風景

先週、新メニュー「森セッション」をリリースしまして、さっそく開始しています。
 
森セッションで私から見える景色を、ちょっと書いてみますね。
「なんのこっちゃ」という感じかもしれないけど、読んでいただけたら嬉しいです^^
 

 
適職診断が、ご質問を重ねて相談者さんを分析的にみていくのに対し、 
森セッションは「お話を聴く」のが主体。
 
ぐーーーーっと、その方のお話に耳を澄ませています。
 
 
こんこんとお話を伺うなかで
「”悩んできた人が見出す真実”というものがあるんだなぁ」
と気が付きました。
  
童話でいうと「花の中に、おやゆび姫が眠っている」みたいなイメージです。
  
 
森セッションにいらっしゃる方は
なにか悩みがあってお越しになっているわけですが
 
本心のまわりにいくつもある
「今はまだ何もできていないし」
「こんなことでいいんだろうか」
「否定されないだろうか」
といった花びらがハラリハラリとほどけていくと
  
美しい、少し震えているような、本心が出てきます。(おやゆび姫)
  

  
 
「本当は、こうしたい」
「途方もない夢かもしれないけど、こうなりたい」 
「誰にも言ったことがないけど、こんなことを考えたんです」
 
などの言葉がでてくるとき
 
相談者さんの表情はやわらいで
ふわぁ〜〜〜!!っと自然体になります。
 
その様子は、
「バッチリメイクしていたのが、洗顔後のふんわりしたお顔にもどる」
くらいの大きな変化です。
   
それまでピシッと整えられていた髪の毛も、
窓の光に透けて
全部がうぶ毛みたいに1本1本、空間にふんわりほどけるかのように、くつろいで見えます。
(ほんとに…? と思われるかもしれないけど、私の感覚としては、ほんとにこんな風に感じてます) 
 
 
これは、相談者さんがご自身の本心にたどりついたとき、
実際に顔つきが変わる、ということでもあるし
 
相互作用で、その場に一緒にいる私の神経系にも変化が起きて
 
私も心からリラックスする、だから見え方が変わる、ということでもあると思います。
(※ポリヴェーガル理論(神経系の理論)でいうところの、ふたりのあいだで協働調整が行われた、ということ)
   
 
いくつもの「私はこうでなくっちゃ」(=頭の声)をくぐりぬけ、
深みから出てきた本心(=心の声)は
 
悩んだ年月によって結晶化された、真実です。
 
 
しんどい時期が何年も続くと
「もっと早くに気づけていたら」
「もっと早く、ラクになれていたら」
と思う方もいらっしゃるかもしれないですね。
 
それはもちろん、あっていい自然な思いなのだけど
「年月によって、なされるもの」も
やはりあって
 
悩んできた年月があったから、その真実にたどり着かれたのだな。
その真実に揺るぎない強さが備わっているのだな。
 
と感じます。
  
 
   
心の深いところから出てくる本心は
その人、個人の話にとどまらず
みんなが心のどこかで思っていること――普遍性――にもつながっています。
 
だから、
「こうしたいです」というお話を伺っている私の心にも
「本当に、そうですよねぇ……!」
と静かな感動が起こるのです。
  
  
悩んできたからこそ、生まれた真実を
 
ああ、美しいな
素敵だな
これから本当にそうなっていかれるんだな、と
 
相談者さんと一緒に
味わわせていただいています。
 
 

 
 
以下は、森セッションへのリニューアル前にいただいたご感想ですが、今回の記事の内容に近いのでご紹介しますね。
 
家族のこともあり、仕事をどうするか追い詰められていた…、というSさん。
「自分を大事にしてあげたい、守ってあげたい」と35年間の人生の中で、心から素直にそう思えたそうです。
 
 
※掲載許可をいただいています。

 
Q.相談前はどのような状態でしたか?
 
ご相談させていただく直前までは、転職をした方がいいのは分かってるけど、このまま前に進んでいいのか、果たして進めるのか、今の会社で続けていく方法はないのか、考えがまとまらずモヤモヤしていました。
 
でも休んで立ち止まっている時間はないし、今よりしっかり稼いで子供を育てるためにも自分が倒れてはいけない!という自責にも似た念もあり、今から思うとかなり追い詰められていたんだな、と感じました。
 
 
Q.相談後の気持ちの変化やご感想など自由にご記入ください。
 
相談開始直後からなんだかホッとして、ポロポロと泣けてきて、やっと自分の気持ちを堂々と言っていいんだ、という安心感に包まれました。その時初めて、「もう休みたい、立ち止まりたい」と言えた気がします。
  
今迄、どんな状況にいても「他者からの評価」が自分の価値を決めるうえで必要不可欠なものになっていて、
 
「評価を得るため」には
→しっかりしていなくてはいけない
→しっかりしていないことを「悪」
としてしまい、
ルーズな人の事を悪く思ったり、重罪人のように決めつけて自分の中で「絶対あんな風になりたくない」と非難していたこともありました。
 
そして他者からの評価が絶対だと、自分が他の人よりどれだけ出来るか、どれだけ優れているかが気になってしまい、自分より出来ない人を見つけては安心したり、「自分より出来る人が沢山いるから…」という理由で自信を無くしていたんだと思います。
 
今迄はそれが自分にとって当たり前の生き方であり、「正」であったので、武田さんの「へぇ~、ほうほう」というビックリにも似た相槌で、「あれ?これって当たり前のことではなかったのかな?自分の考えって偏っていたかもしれない」と初めて思いました。
 
 
あのカウンセリングから、ずっと、自分の内側にいる「本当の自分」の意見を聞きたくて、耳を傾けています。
 
あなたは本当は何がしたかったの?どういう風になりたいの?何が一番好きなの?、と。
 
今迄、ずーっと本音を無視してきたぶん、本当の自分はきっといじけてしまっていて、すぐには本音を語ってくれないかもしれませんが、じっくり、ゆっくり、のんびり、自分の中のもう一人の自分と向き合っていこうと思います。
 
内側の自分と外側の自分の輪郭が段々と似てきたら、その時に初めて、転職や新しい仕事について考えてみようかなと思っています。
 
モヤモヤの雲が晴れて、今、自分が本当に向き合うべき課題がはっきり見えました。
自分を大事にしてあげたい、守ってあげたいと35年間の人生の中で、心から素直にそう思えました。

 
まとまらない私の言葉を丁寧に一つずつ拾い上げて聞いて下さり、本当にありがとうございました。
またいつか、今度は泣かずにお話したいなと思っています。

 
 
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