繊細さん(HSP)は仕事で「完璧主義者」だと誤解されがちだけど、実はちがう。
こんにちは、カウンセラーの武田です。繊細な人やHSPの方から、仕事や人間関係のご相談を承っています。(東京・お電話・スカイプ)
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繊細さんから「仕事場で完璧主義者だと言われてしまう」「完璧主義者だと誤解されやすい」というご相談をいただくことがあります。
繊細さんは、「よく気がつく」という性質ゆえに完璧主義者だと言われがちなのですが、それはなぜなのか、その仕組みと、全員が完璧主義者ではないんだよ、というお話を書きたいと思います。
※繊細さん(HSP Highly Sensitive Person)については、【こちら】をご覧ください。
繊細さんは、些細な変化や違和感をよく感じ取る性質を持っています。
たとえば、「部屋の片づけをしてください」と言われた時。
繊細でない人がゴミを2、3個見つける一方で、繊細さんは10個のゴミを見つける。といった具合です。本人の意図にかかわらず、他の人が見落としがちな些細な違和感を敏感に感じとります。
繊細さゆえ気づいてしまう。気づいたから、問題に取り組もうとする。
このように、仕組みはとてもシンプルです。繊細さんが、まわりの人よりも些細な事に取り組む傾向にあるのは確かですが、それは完璧にこなそうと思っているわけではなく、ただただ「気がついたから対応している」だけなのです。
(繊細でない人も、仕事場で問題に気がつけばきっと対応しようとするでしょう)
繊細さんのなかには完璧主義者の方もいらっしゃいますが、「ただ気づいたから取り組む人」と「すべてを完璧にしようとする完璧主義者」は決してイコールではありません。
些細な変化や違和感によく気がつく、という繊細さんの性質は、仕事においてメリットにもデメリットにもなります。
例えば、繊細さんは、担当する仕事に異常があることを素早く察知することができます。
実験データの不備に気づくのが早く、正確な実験を行うことで、商品開発の部署で高く評価された繊細さんもいます。また、丁寧な仕事を求められる場合においても、繊細な性質は強みになります。
一方で、繊細さゆえに困ることもあります。
たとえば、納期が厳しく、素早く仕事をこなさなればならないとき。
繊細でない同僚がミスに気づかず仕事をすすめる一方で、繊細さんはたくさんのミスに気づいてしまうため、修正しようとして仕事が遅くなってしまう、仕事が増えてしまう…といったことが起こります。
たくさんのミスに気づくことで仕事が進まなくなるようでしたら、上司に「こういうミスがあるのだが、納期を優先するほうがいいか、ミスの修正に対応すべきか」相談してみるのがおすすめです。
上司の判断を聞くことで、自分が気づいたミスのうち、なにが軽微でなにが重要なのか、見分ける目を養うことができます。
対応を判断しかねるときは、上司や同僚に相談してみてくださいね。
また、日頃から、まわりの仕事の進め方と、自分の仕事の進め方を比較してみて、違いを把握しておくのもおすすめです。
違いを知っておくことで
「どうして自分は仕事が遅いのだろう」
「なぜ同僚はあんなにサクサク仕事をこなしているのだろう」
と悩むことが減りますし、
「ひとつひとつ慎重に進めるのでやり直しが少なく、トータルの作業時間は、同僚よりも早かった」…といった事実に気づくこともあります。
自分の性質について、活かせる部分を存分に活かし、困る部分は周りに相談しながらカバーする。というふうに捉えてみてくださいね。
(繊細の森・武田友紀 編集補助・首藤タツル)