仕事になるもの・ならないもの。人に影響を及ぼしたいか、自分の中で完結しているか

やりたいことがあったとして、それが仕事になるのかならないのか? というお話。
 
 
クライアントから、時折、絵について聞かれることがあります。
 
私は、会社を辞めてフリーランスとして起業した時、「自分ができることで求められることをすべてサービス化して売る」ということをやりました。1年で約40種類のサービスを立ち上げて、集客〜販売まで、ほぼ独学で行ったのです。
 
起業した当初は、自分で描いたオリジナルの水彩画を売ったり、オーダーで絵を描いて名刺やショップカードにしたりと、今とは全く違う仕事をメインにしていました。
 
 
今は、絵のサービスはほとんど行っていないのですが、起業当初の様子を知っている方や、アートの分野で働きたいクライアントから、時折、質問をいただきます。
 
「武田さんにとって絵はどういうものなんですか?」と。
 
 
  
絵はとても大切な存在で、今でも描きますが「私にとって、絵は仕事じゃない」という位置づけです。
 
私にとっての絵は、その時々の心象風景を残す「日記」みたいなものです。決して安くない値段で売れるようになりましたし、売れたらもちろん嬉しいです。でもそれは、それは「日記が売れたような感覚」。
 
「自分のための日記をつけたら、偶然にも共感してくれる方がいた」という感じなのです。
 
私にとって、絵はあくまで、自分のために描くもの。
やりがいや使命感とは違う次元のものごとです。
 
 
 
一方で、私にとっての仕事――「これをすれば、世の中が良くなる!」と思って行うものごとは、適職診断やカウンセリングです。
 
「ひとりひとりの力を活かしていこうぜ」という思想に基づいて、実際にクライアントの資質を開花させることが、クライアントの幸せに寄与すると思っています。
 
 
こうして、仕事と仕事でないものの違いを考えたとき
「人に対して影響を及ぼしたいと思っていること」=仕事
「自分の中で完結していること」=仕事ではない

です。
 
 
 
仕事とは、自分が持つ、世の中への主張です。
 
「これを通して人々に影響を与えたい」と願うもの。
「これをこうすれば、世の中が良くなる」と思えるもの。
 
 
一方、私の絵のように「自分の中で完結している、自分のためのもの」は、作り終えた時点で役目を終えています。
 
結果として売れることはあっても、ほんとうの意味での仕事にはならない。
(※絵であっても、「この絵や日記を通して人を勇気づけたい!」など、誰かに影響を及ぼしたいと思うなら、それは仕事になると思います)
 
 
仕事とそうでないものの違いは、人々に影響を及ぼしたいか、自分の中で完結しているか。――そんなところにあるのだろうと思います。