「繊細さん」の呼び名の由来と、守るための商標登録について
はじめまして、こんにちは。
公認心理師・HSP専門カウンセラーの武田友紀と申します。「繊細さんの本」の著者でもあります。
この記事では「繊細さん」という呼び名の由来をお伝えしますね。

「繊細さん」は当事者発の言葉
「繊細さん」は、もともと当事者のあいだで使われていた言葉です。
私が著書「繊細さんの本」のなかでHSPを「繊細さん」と呼び、本がベストセラーになったため、
「武田が『繊細さん』という言葉を作った」
と思われることも多いのですが、そうではありません。
(誤解させてしまって申し訳ないです。インタビューなどではたびたび話しているのですが、まだまだ私が名付け親だと思われていますね💦)
「繊細さん」の名付け親は、私が長年お世話になっているコーチングコーチの山口由起子さん。
由起子さんが2011年ごろからHSP気質の人のことを「繊細さん」と呼んでおり、由起子さんのまわりでその呼び方が定着していて、私もその一人でした。
社会に知られていなかったHSP。誤解を防ぐため「繊細さん」と呼ぶ
私がブログでHSPについての情報発信を始めたのが2014年ごろなのですが、当時、日本ではHSPの存在がほとんど知られていませんでした。
そのため「HSPという人たちがいて……」と説明すると「それはなにかの病気? 発達障がい?」と聞き返されることが何度もありました。
日本でHSPを伝えるには、日本語でわかりやすく、親しみのある呼び名を使うほうがいい。
そう思って由起子さんにご相談し、2015年にホームページを立ち上げる際に「繊細さん」という呼び名を使わせていただきました。
また2018年に著書「繊細さんの本」を出版する際にもご相談し、ご快諾いただいています。
→【山口由起子さんからの応援メッセージ】
→【山口由起子さんブログ】
繊細さ(HSP気質)は、その人自身が持つ素敵な性質です。
「繊細さん」という言葉が、当事者を守り、社会におけるHSPへの理解を促進する言葉になったらいいなと思っています。
「繊細さん」の商標について
「繊細さん」という名称を当事者が安心して使い続けられるよう、2021年に「繊細さん」の商標を取得しました。
ご興味のある方向けに、その経緯と意図をお伝えしますね。
商標登録とその意図
「繊細さん」は2021年9月に私・武田友紀の名義で商標登録されました。
出願した理由は、
1.「繊細さん」を私を含め当事者たちが気兼ねなく使えるようにするため
2.「繊細さん」という言葉を、誤解やネガティブなイメージから守るため
の2点です。
出願の際には、名付け親の由起子さんにあらかじめご相談し、ご了承いただいています。
1.「繊細さん」を当事者たちが気兼ねなく使えるように
もともと出願の予定はなく、「繊細さん」という言葉が誰にも独占されることなく広まって「りんご」「みかん」のような当たり前の言葉になればいいな、と牧歌的に思っていました。
ですが、日本で有名になった言葉を、全く関係のない会社や海外の企業が勝手に商標登録してしまう問題が報道されていました。
「繊細さん」という呼び名が一気に広まったことでその可能性が上がり、下手をすると「繊細さん」という呼び名をイベントタイトルなどに使えなくなる懸念がありました。
「繊細さん」という言葉を使っているのは私だけではありません。
「繊細さん」の名称を使ったお話会などが当事者のあいだで行われています。
自分が「繊細さん」を使えなくなるのは困る、という事情ももちろんありましたが、「当事者がこれまで通り活動できるように」という、当事者を守りたい気持ちもまた大きかったです。
※商標取得後も、みなさんが行うイベントを武田が制限するようなことは行っていません。
※当事者から通報が上がるようなもの(高額セミナーや資格商法など)、「繊細さん」への誤解を招くもの、武田の関与を誤解させるもの等には使用を許可しない可能性があります。
2.「繊細さん」という言葉を、誤解やネガティブなイメージから守る
もうひとつの大きな理由が、「繊細さん」という言葉を誤解やネガティブなイメージから守るためです。
繊細さんについて誤解を招く商品やサービスが出た場合、こちらに商標権がなければ、差し止めを求めるなどの対応も難しくなります。商標権があれば法的な対応も行いやすいです。
「繊細さんのイメージを守り、ネガティブな誤解をもたらす商品に一定の歯止めをかける」という目的で出願を行いました。
水面下での戦い
言葉が広まると、個人の常識や善意だけでは測れないことが起こります。
「こんなひどいこと、ふつうはしないよね」ということを企業や個人が利益のためにやってしまったり、繊細さんについて誤解したまま動いてしまうことがあるんです。
「HSP」「繊細さん」がブームになったことで「性善説だけでは危うい」と思う場面がいくつもありました。
実際にこれまでも、
繊細さんをひどい言葉で言い換えるような動画を、権利者として申請して取り下げてもらったり、
「繊細さんになったら危ない!」などの誤解を含む企画には、繊細さんの正確な意味合いを説明して修正いただいたり、
「これは繊細さんへの誤解を呼ぶ」という商品への抗議を行なったりと、
繊細さんにネガティブなレッテルが貼られることがないよう水面下で戦ってきました。
いろんな状況を経験して思うのですが、抗議に耳を傾けてもらえるのは必ずしも「正しいから」「繊細さんのためだから」ではありません。
「武田友紀が商標を持っている権利者だから」という法的な側面が、どうしてもあります。
商標を持っていないと守れないものが、たくさんあるんですね。
独善にならないよう、HSP支援者たちの意見を聞きながら進めています
企業の動きは、日本における、世間から繊細さんへのまなざしに影響を与えます。
企業対応はわたしひとりでは背負いきれない部分がありますし、判断に迷うこともあります。
また、繊細さん(HSP)に関連する企業活動の是非を、私個人が独善的に判断するのは、それはそれでちがうんじゃないかな、との思いがあります。
そのため、状況に応じて、由起子さんをはじめHSPにかかわる支援者の方々と情報共有・意見交換しながら対応を進めています。
商標登録にはこのような経緯があり、「繊細さん」という言葉を守るための登録だということを、どうぞご理解いただけましたら幸いです。
武田友紀
おまけ:「繊細さん」のざっくり年表
繊細さん(HSP)について調べている方のご参考用に、ざっくり年表をまとめておきますね。
- 1996年
エレイン・アーロン博士の「THE HIGHLY SENSITIVE PERSON」がアメリカで出版 - 2000年
エレイン・アーロン博士の著書が訳され「些細なことにもすぐに動揺してしまうあなたへ」として日本で出版 - 2011年ごろ
山口由起子さんがアーロン博士の本をブログで紹介。HSPを「繊細さん」と名付ける - 2014年
武田がブログ上で「繊細さんリンク集」を立ち上げ、当事者どうしの交流の場をつくる。リンク集には半年で150名超が集まり、反響の大きさにびっくり。(現在はブログは閉鎖し、ホームページに移行) - 2015年
ホームページ「繊細の森」を作成。繊細さん(HSP)に関する情報発信を本格的に開始 - 2018年
著書「繊細さんの本」を出版 - 2019年
AbemaTVがHSPについて放送、武田も出演。「繊細さんの本」がラジオや雑誌で取り上げられる。→【当時の出演はこちら】
繊細さん(HSP)ブームがはじまる - 2020年4月
テレビ「世界一受けたい授業」で「繊細さん」の回を放送、武田は講師役で出演。→【当時の出演はこちら】
繊細さん(HSP)ブームにいっそう火がつく - 2020年11月
「繊細さん」を商標出願 - 2020年12月
好評につき、テレビ「世界一受けたい授業」で繊細さん・第二弾を放送。武田は講師役で出演。 - 2021年9月
「繊細さん」が商標登録される
※この記事は、以前『繊細さん(HSP)とは?』のページに掲載していた説明を、独立した記事として再編集したものです。




