HSP・繊細さん|雑談が苦手な人向け、コツと練習方法(前編)
公認心理師・HSP専門カウンセラーの武田友紀です。
HSP・繊細さんのカウンセリングをしています。→【森セッション】・【適職診断】
繊細さんたちから
- 雑談が苦手
- 一問一答になってしまい、会話が続かない
- 何を話せばいいかわからない
という悩みを聞くことがあります。
今回は「雑談のコツ」を解説しますね。
コツがわかると、ラクに話せるようになりますよ😊
この記事でわかること
- 雑談の2つのコツ
- 実際に「雑談の練習」をする様子
目次
「雑談が苦手」というHSP・繊細さんたち
※実際の相談事例を書いています。
※相談者さんから掲載許可をいただいています。
「もしよかったら、練習してみます? 雑談の練習」
ある日のカウンセリング。
そう提案すると、相談に訪れたKさんは ぽかんとして「え。今ここで?」という反応をした。
「興味があったらでいいんですけど、せっかくだからちょっと練習してみません?」
にっこり笑って私が誘うと、「じゃぁ」と乗ってきてくれる。
その日の雑談テーマは「パン」だった──。

「緊張する」「会話が続かない」
カウンセリングで伺う悩みのひとつに「雑談が苦手」がある。
Kさん(30代女性)は、入社5年目の会社員。
人と話す時に緊張したり「怖い」と感じることがあるそうだ。
廊下や更衣室で話しかけられてもうまく返せず、気まずくなってしまう。
同僚に話しかけられるたびに「またダメだった」と傷つき、人と話すのにますます緊張する。
そんな悪循環に陥っていた。
また、別の相談者のSさん(40代女性、会社員)は、行きつけのバーに、話してみたい憧れの人がいるそうだ。
「その人がみんなとわいわい盛り上がっているのをみると『いいなぁ』って羨ましいです。
だけど自分は雑談が苦手だし、その人が話しかけてくれても一問一答みたいになって、話が続かなくて。
本当はもっと話したいし、自己開示というか、自分のことも知ってほしいです。
どうやったらもっとラクに話せるようになりますかね……?」

KさんもSさんも、ご相談のテーマは「雑談」。ということで、今回は「雑談のコツ」について話してみたい。
雑談って、なんの意味があるの?
雑談が苦手な相談者さんは、たいてい次のように言う。
「他の人の雑談を聞いていると、受け答えが合ってないというか、相手が言ったことと全然ちがうことを話してますよね。本当にそれでいいの?って疑問です」
「質問されても、私は『はい』で終わっちゃって、次の言葉が続かないです」
「1対1ならまだ何とかなるんですけど、3人以上となるともう無理です」
憤った相談者さんから、こう訴えられることもある。
「雑談って一体なんの意味があるんですか?職場でお昼を食べてても、みんなテレビドラマとかタレントのこととか浅い話ばっかり。
私は仕事の改善点とか働く意味とか、そういう深い話をしたいです」
うんうん、そうだよね。
私も昔、同じことを思ってたよ。
「結論はどこ?」雑談が下手だった私
今でこそ雑談を教えている私だが、昔は全く雑談ができなかった。
カウンセラーになる前は会社員として働いていたのだが、上司への”仕事の相談”はできても雑談となるとさっぱり謎で、どの結論に向かって話せばいいのかわからない。
雑談の正体がわからなすぎて、営業職の同僚に
「ねぇ、今日した雑談を教えてくれない……?」
と聞いたこともある。
「今日の雑談? んー、『駅前でコーヒー買ってきた』って話したかなぁ」
同僚にそう返され「その話のオチはどこなの?」とたずねると、
「雑談にオチとかないよ。ほんとに雑談へたくそ選手権だね」
と笑われた。
(彼女はそういう返しがうまかった。さすが営業職だった)

雑談へたくそ選手権で勝ち抜けそうな私だったが、今では子どもの学童の先生とも気楽に話せるし、カウンセリングで雑談の練習相手をつとめることもある。
雑談は、コツさえわかればなんとかなる。一緒にコツをみてみよう。
雑談のコツは、たったの2つ
さて、雑談のコツは次の2つだ。
1.頭の中に浮かんだことを、そのまま言ってみる。
2.話のトーンが合ってれば、内容はなんでもOK!
ひとつひとつ解説してみたい。
コツ1.頭に浮かんだことをそのまま言ってみる
たとえば「職場の人たちとお昼ごはんを食べる」というシチュエーション。
同僚がパンを食べていたら「パンおいしいですよね」と言ってみる。
自分もパンが好きだったら「私、パン好きなんですよ」と付け加えてもいい。気が向いたら「そのパン、どこで買ってるんですか?」と聞いてもいい。
同僚のパンをみて「パンおいしいですよね」って、一体なんなんだ。
なにも考えていないじゃないか。なんの意味があるんだ。
書いている私もツッコみたくなるが、雑談はそれでOKなのだ。
何も考えない会話、それでいい。
頭の中にふと浮かんだことを、そのまま言ってみるのだ。
ちなみに、自分の昼食がおにぎりだろうと「私もパンが好き」と言っていい。
私のカウンセリングに訪れる相談者さんは、HSP・繊細さんが多い。
繊細さんは、細かい矛盾によく気づく。
「『私もパンが好き』って言いたいけど、今日持ってるのは、おにぎり。これじゃパン好きを名乗っちゃいけない?」
と心配するかもしれないが、矛盾は流してOK。一般的に、人は、雑談にそこまでの整合性を求めていない。
「思ったままを話して、相手が気を悪くしませんか?」
と心配なさる相談者さんもいるが、この質問が出た時点でたいてい大丈夫である。
この質問をする方は、ふだんから相手の気持ちを気にかけている。多少気を抜いても悪口には走らない。
「思ったままを話すと悪口ばかりになる」
「相手を批判してしまう」
のでなければ、基本的に大丈夫。
そのまま話しても、思いやりは標準装備されている。
コツ2.話のトーンが合っていれば、内容はなんでもOK!
雑談のコツ、2つ目は「トーンが合っていれば内容は何でもOK!」である。
トーンとは、話のテンションや明るさみたいなものだ。
たとえば、相手が「この前行った ごはん屋さんがおいしかった」と話したとする。この話が暗いか明るいかといったら、明るい。
明るい話がきたら、こちらも明るい話で返す。
「そのお店行ったことないです、おいしいんですね〜」と返してもいいし、思い切り話題を変えて「そういえば、この前みたドラマがおもしろかったです」と言ってもいい。
ごはんの話にドラマで返すのか。
それって大丈夫? 空気読めてる?
そう思うかもしれないが、安心してほしい。
カフェや職場でまわりの雑談を聞いていると、こうした話題転換はよく行われている。
雑談は、仕事の報告や相談とはちがう。
「思いついたことを、相手にぽんと投げてみる」方法で進む。
ぽんぽん進む、気楽な会話。
このとき大事なのは「話題の一貫性」よりも「トーン」である。
失恋して号泣している友達に「このあいだのドラマ面白かったよ」と笑いながら言ってしまうと、さすがに不穏な空気になるだろう。
けれども、明るい話には明るい話を、暗い話には暗めの話を返せば、だいたい成立する。
雑談が苦手な人は、相手の話題にぴったり合わせようとする。
針の穴に糸を通すように、あるいは就活の面接のように、一問一答で真正面から返そうとするのだ。
それだと、知らないドラマの話題がきたときに、なにも話せなくなってしまう。
雑談の本質は、じゃれあいだ。
雑談の本質は、じゃれあいだ。
子犬どうしがお互いをつつき、ころころ転がって遊んでいるようなものなのだ。
内容そのものよりも、互いに相手に話しかけること、明るい気持ちをやりとりすることに意味がある。
「あなたのことを好ましく思っていますよ」
「歓迎していますよ」
「敵意はありません😊」
そういう「ウェルカムな気持ち」が、ちょっとした微笑みや声のトーンで伝われば十分なのだ。
だからこそ「パンおいしいですよね」は立派な返しだし、「へー、そうなんだ!そういえば私もこんなことがあってね」と、ちがう話題にそれてもかまわない。
相手のトーンをみてこちらも似たトーンで返せば、成立していくのだ。
カウンセリングで「雑談の練習」をしてみると
雑談のコツを一通り説明したところで、実際の練習風景をみてみよう。
私のカウンセリングは実践形式である。
考え方を知るだけではなく「一緒にやってみて、コツをつかむ」までがカウンセリングだ。
練習によって、相談者さんがどう変化するかもみてほしい。




