想定を超えるもの。感性のかたまりと流れ
絵を描いて、人生の選択について思う。
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油絵。
自分を尊重する行為の連続。
最初にぱっとインスピレーションが浮かんで、描き始める。
ひとつ色を置くたびに
「いいね」
「そうだね」
「次はこの色」
……と、次々に先がわかっていく。
誰がなんと言おうと私はこれが美しいと感じる。
そんな想いの連続で、絵ができあがっていく。
感性の集合体。
一方、「こんな風に描きたい」と意図して、ガチッとその通りに描こうとすると、流れが阻害される。
想像以上にはならないというか、想像の半分にも到達しないというか。
「この色」とささやいているはずの感性を拾えない。「想像以上」になっていかない。
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最近、これは人生でも同じなのではないか、と思っている。
「こうなりたい」と意図して、「そのためにこれを…」と意図に近づくための選択をすると、意図を超えられない。
想像以上の美しさ、想定を超える状況を望むとき、
もっと感性を大切にしていいのではないかと思う。
ものごとを選ぶと、流れができる。
感性で選べば、感性に沿った流れができる。
流れの中で来る、様々なものに対して
「こっち」
「そうだね」
「これはちょっとちがうね」
とさらに感性で判断し、選択していく。
自分自身でもおよその流れを作りつつ、流れにこれからをゆだねていける。
感性を尊重し、感性のかたまり(心そのもの)として世を生きていく。
そういうことが、もっともっとできるのではないかと思っている。