帯推薦文を書きました:「簡単なことではないけれど大丈夫な人になりたい」
ホン・ファジョンさんのイラストエッセイ
「簡単なことではないけれど大丈夫な人になりたい」
の帯推薦を書きました。
最初に、お問い合わせフォームから
「帯推薦を書いていただけませんか」と
編集者さんにご依頼いただいたとき、
「へぇぇ、そんな仕事があるのか」
と思うと同時に
「読んでみていい本じゃないと、引き受けないぞ」
と、バリアを張ったのです。(引き受けると約束して、その本を良いと思えなかったら苦しい^^;)
出版の商慣習がよくわからないので、これって聞いて良いのかしらと思いつつ、試しに
「依頼を引き受けるかは、読んでみての判断でもいいですか?」
とお伺いしたところ、もちろんそれで大丈夫ですとご快諾いただきました。(良かった…!)
本になる前、ゲラの状態でいただいたのですが
(A4に見開きカラーで印刷されているのが100枚ほど、ワサっと束できて、それを読みます)
封筒を開けて、
これから他の仕事があるから
今はとりあえず中身を確認するだけ……とページをめくったら
おもしろくてするすると読めてしまうし、
なにより心が暖かくなるイラストエッセイで、
「うお、めっちゃいい本や!」
とびっくりしました。
著者のホン・ファジョンさんが繊細さんかどうか、本当のところはわからないのですが、
毎日の生活や仕事での、小さな幸せや戸惑いが丁寧に描かれていて
繊細さんに通じるものを感じます。
私はカウンセラーとして
「こういうときは、こうしたらいいよ」
と、悩みへのアプローチをコラムや本で書いてきたのですが
なんていうんでしょうか、
毎日の中では、ふとした気持ちや
いろんな矛盾する思いがあるもので
このエッセイを読んでいると
「生きるってこういうことだよね」と
思います。
ひとりの人間のなかに
矛盾する考えや気持ちがいくつもあることは
色とりどりの花が
空から降るようにあたたかい光景で
「こうしたらいいよ」と、簡単に言ってしまうことは
せっかくの花を、ぺしゃんこの押し花にしてしまうことでもあるのだなと
思います。
毎日浮かんでは消えていく、
見過ごしてしまう心の動きが
こちらのエッセイでは、丁寧に描かれていて
小さな気持ちを
そのまま手のひらに受けていくことが
「生きる」ということの、実際の姿なのではないかと
感じました。
今日、本屋さんに立ち寄ったら
さっそく置いてあって、嬉しかったです。
心が暖かくなるエッセイ、ぜひぜひ、お手にとっていただけたら。
なんとなく落ち込んでしまうときや、不安な夜にめくると
ほっと心がゆるむ本だと思います。
こちらのお仕事をさせていただけて
とても嬉しかったです^^