<詩>新世界への扉、感性の化物
空をみあげ
池に映る木の影をみて
ここには誰もいないんじゃないか
そんな感覚に襲われる
どれだけ人がいようとも
悠々とした雲の流れや
小刻みに揺れる湖面など
誰の目にも映っていないのではないか
自分を脱ぎ捨てていくことは
世界に感じていた親しみを、一旦、脇に置くことである
新世界と現世界は別物であり
その境には孤独の風圧がある
この先には誰もいないのではないか、ひとりきりになるのではないか。
扉の前で立ち尽くす
しかし、目を開けば
応援の声があり、共感の一端がある
扉の向こうに
やわらかい光を
感じることができる
感性の化物
感じて感じて感じて
類を見ないその感度に
孤独を恐れたとしても
扉の向こうには仲間がいる
先達が、待っている
キャンバスに油絵、サイズ274×274mm