思い切り働く:仕事の「スタンス」に名前をつける

メルマガでお知らせしましたが、先週から、新規の方からのご相談受付を再開しています。
 
再開できて、ほっとしました……!
 
いろんな方とお話できるのはすごく嬉しいし、
心を真ん中においてじっくりお話できる時間は、生きる上で欠かせない、とても大切なものなんだなぁと改めて思っています。
 
なにより、ようやく前に進める気がしました。
 
 
 
友達に話してびっくりされたんですが、メディアに出ている間、進んでいる感じが全くしなかったんです。
 
ちょうど去年の今頃、「世界一受けたい授業」というテレビ番組に出させていただいたんですね。
 
それをきっかけに、HSP(繊細さん)の認知が一気に広がり、取材・取材・講演会……といった「HSPについて、世の中に広く発信する」仕事がどっと増えました。
 

 
テレビのスタジオにおじゃまして空気感を感じたり、芸能人の方とやりとりをしたりと、たしかに新しい世界をたくさん見れたんだけど、自分としては全然「進んでいる実感」を持てなかったんです。
 
「なるほど、こういう質問がくるのか」という発見はたまにあるけれど、取材もテレビも、基本的には、すでにわかっていることを話すんですよね。
 
だから、出演を通して知識がとっぷり深まるとか、新しい考察を得ることは少なくて、それが私にはけっこうしんどかったです。
 
走っているのに進まない、みたいな感覚。
 
 
 
以前、なにかの本で
「猛烈に忙しいのに退屈だった。満員電車の映った自分の顔をみて、疲れた様子に驚いた」
という記述を読んだことがあるんですが、そんな状態でした。
 
新しい仕事を次々にやっていて、客観的には成果が出ているのに、どこか退屈。
 
人生で初めてそんな状態になりまして
「忙しいのに退屈」って、こんな感じか……、と
びっくりしました。
 
 
 
一方、プライベートでは、新しい心理学の知識を学んでは自分の体で実験していて、それがめっぽう面白いんですね。
 
思い出せない記憶も、こうやって体に刺激を与えると思い出せる、記憶の蓋が開くんだ、とか、あるいは、興味のある身体心理学の療法を受けに行って、家に帰って、真似して自分の体に対してやってみたりとか。
 
こんな療法があって、実際にやってみたらこうなって、それでこう思ったんだよ……、と、わぁーっ!と友人に語ったら
 
「武田さんは研究者ですねぇ」
 
と言われて「あ、そうか」と思ったのです。
 
 
 
新しい考察を得ることが、自分にとっての喜び…「幸せの実」なのだ、ということは認識していたけど、
 
それを友人が「研究者」という言葉で表してくれたことで、自分のスタンスが腑に落ちました。
 
 
私の仕事は、肩書としては「心理カウンセラー」です。
 
カウンセラーの役割には、必要とする方への心理教育も含まれるんですね。だから、メディアに出て沢山の人にHSPを知ってもらうことは、すごく大切なことだと思っていたし、喜びの声もたくさんいただいてきた。
 
 
「喜んでもらってるのに、自分としては進んでいる気がしない」ということが、うまく整合がつかなかったんだけど、
 
そうかぁ、研究者かぁ。
 
研究者がメディアに出るばっかりじゃ、そりゃしんどいよね。本業とずれてるもん、と素直に思えたのでした。
 
 
 
やっていることは同じでも、スタンスは、それぞれです。
 
「ブログを書く」という行為一つをとっても、スタンスとして「アイドル」の人もいれば「アーティスト」の人も、「観察者(学者)」の人もいますよね。
 
 
 
自分のスタンスを名付けること。
 
「カウンセラー」「経営者」「事務」「営業」「ブロガー」「コンサルタント」など、仕事内容を表す肩書とは別に
 
アイドル、アーティスト、分析官、研究者、科学者……と、仕事に対するスタンスを名付けること。
 
 
それは、自分を理解し、深く肯定する助けになる。
 
「客観的には”良い状態”なのに、なぜ満足できないのか」
と思った時に、有効なんだなと思ったのでした。
(友人、ありがとう!!)