<詩>感性と共に生きる
電車を降りるとき、ふと「感性と共に生きる」という言葉が浮かんだ。
「活かす」ではなく、「共に」なんだな、と自分の言葉をみつめる。
「共に」というニュアンス。
もうひとりの自分が、そばにいる。
感性を司る自分は、長い間、眠りについていたように思う。いまもまだ半分、うつらうつら目を閉じている。
眠っている自分に話しかける。
今日は天気だよ。よく晴れて、おひさまがぽかぽかしてるよ。
牧歌的な料理本をみつけたよ。水色のタイルに並んだごちそう、素敵な光の当たりぐあい。今度作ってみようと思うんだ。
きれいなものを、たくさん、一緒にみよう。
おいしいもの作って、一緒に食べよう。
君のいいところだけをすくいとるのではなく
痛いよ、という心も
こわいよ、という声も
まるごと一緒にいよう
絵「変化の兆し」 キャンバスに油彩、サイズ273×273mm