ひとりの世界。遠くから呼んでいるような音楽たち……。

先月、ラジオに出た時、曲をリクエストができると言われ
 
サカナクションの『さよならはエモーション』と、米津玄師さんの『海の幽霊』をお願いした。
 
 
 
サカナクションが好きだ。
 
音楽とは、リズムにのせて楽器を鳴らし、歌うもの……
という認識だったけれど
 
サカナクションの曲には、
汽笛や、シャッター音や、なにかを叩く音が入っていて
 
彼らにとって、音楽とは
”音そのもの”なのかもしれない、と思った。
  
 
いくつかインタビューを読むと、
サカナクションは、大衆に受け入れられる曲と、そうでない曲とを
自覚しながら作り分けているようだ。
 
メジャーとマイナーを行ったり来たりしながら
メジャーな曲で人々をひきつけ、
コアな世界へ連れて行く。
 
 
私は、彼らのマイナーな曲が好きだ。
 
優しい雨みたいに、ドラムが鳴る。
 
いくつもの音が重なり、やがてリズムになっていく様は
「僕らはこれが良いと思う」
と静かに提示しているようで
 
彼らの曲を聞くたびに
呼んでるなぁ、と思う。
  
 
 
 
米津玄師さんの曲も、好きだ。
彼の曲は、大変なことを越えた人が作る曲のように思う。
 
『海の幽霊』の歌い出し。海鳴り。
 
遠くから呼ばれている感じが、する。
 
 
 
 
私は、呼んでいる感じのするものに、共鳴する。
 
強く、遠くまで呼ぶのは、孤独の力だ。
 
 
悲しみ、喜び、痛み、優しさ……
感情をくぐりぬけた先に
自分にしか見えない世界をみつけて
 
ひとり、世界の底から
遠くへ呼びかける。
 
 
 
特定の誰かではなく
総体としての人類の、心の深みに向けて
 
「美しいものがあるよ」と
歌い続けている。